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八鹿酒造&宝泉寺温泉

くじゅう連山の恵みと共に150年以上
老舗酒造の魅力に触れる旅

2021.11.30

本格的な寒さが訪れ、外出の機会が少なくなりつつある近ごろ。ぜひ訪れて欲しいのが大分県九重町の「八鹿酒造」です!
歴史ある蔵元の歩みに触れ、試飲を楽しんだり、買って帰ったお酒でおうち時間を充実させたり。
そんな冬の1日も魅力的だと思いませんか? 今回は「宝泉寺温泉郷」にも足を伸ばしてきましたよ~♪

その歴史は150年以上! 老舗酒造の歩みとは?

代表取締役専務の麻生益寛さん

創業は江戸時代末期の元治元年(1864年)。くじゅう連山を源として湧き出る伏流水が流れ込む玖珠盆地から八鹿酒造の歴史は始まりました。

「創業当時の名前は八鹿ではなく、“舟来屋(ふなこや)”だったんですよ」と教えてくれたのは、代表取締役専務の麻生益寛さん。温暖な九州にありながら、酒造りに適した気候に恵まれたこの土地で150年以上家業が受け継がれてきましたが資金不足や天災など、様々な理由から2代目・豊助の時代に一度、酒蔵の権利を手放したことがあると言います。しかし、3代目の観八が家業の再興を果たし、先代が中断させていた九重町右田地区の水路工事も完成に導きます。完成した水路は「右田井路」と呼ばれ、現在も酒造のある右田地域の水田を潤し続けているそうですよ。

その後も取り巻く環境が様々に変化するなか、こだわりの酒造りを代々杜氏に受け継ぎ経営を存続させ、やがて八鹿の名は全国区に! 国内で最も古い品評会「全国新酒鑑評会」での入賞回数も、九州においては最多というからすごいですよね!

バーボン樽でじっくり熟成・香り付けがされている「銀座のすずめ 琥珀」

本来なら酒蔵見学を実施していて、その中で歴史についても教えてもらえるのですが、令和2年7月豪雨災害からの設備復旧を現在も進めている最中のため、現在は見学はストップしています。

「仕込み蔵などが泥だらけになり、建物や商品への被害も大きかったですね」と当時を振り返りながらも、麻生さんはとってもポジティブ。「もっと大きな被害を受けた地域も全国にはありますし、それに比べてうちは断水などもなかったですから。ボランティア活動の経験もあるので、作業は慣れたものでしたよ」と明るく話す姿が印象的でした。私たちも見学の再開を楽しみに待ちましょう!

魅力いっぱい!八鹿のお酒を買うなら直営店へ

さて、いよいよお楽しみのショップへ。お店は八鹿酒造の創業時の名前である「舟来屋」の屋号が掲げられていましたよ〜。風情がある店内には定番から季節ものまで、多彩な商品がズラリ! 日本酒や焼酎だけでなく、リキュールなどのお酒も充実しています。売店の方にお話を聞くと、近隣の宿に泊まった旅行者が食事の際に飲んだ八鹿のお酒に感動し「お土産に持ち帰りたい」と足を運ぶことも珍しくないとか。

さらに「今は家飲みの需要が高いので、一升瓶が以前に比べて良く出ます」とも。なるほど。確かにお気に入りの1本がある家飲み派には、たっぷり飲める一升瓶の方が喜ばれるのかもしれませんね!

お土産に迷ったときのオススメ商品はコレ!

左:「銀座のすずめ 琥珀」1540円、中央:「スパークリング Niji」2990円〜、右:「大吟醸原酒」5500円

麻生さんに教えてもらったオススメや、人気の高い商品をご紹介します。まず最も人気の高い商品は、八鹿酒造イチオシのブランドでもある「銀座のすずめ 琥珀」。バーボンウイスキーの空き樽に貯蔵した麦焼酎で、熟成の進んだなめらかな舌触りと、スモーキーな風味が特徴です。おすすめの飲み方はロックですが、炭酸割りも美味しいとのことですよ♪

続いて「スパークリング Niji」は、直営店でしか購入することができない限定酒。自然豊かな土地で育った酒米と、美しい伏流水から生まれた純米酒のスパークリングです。酵母が生きた状態の酒を瓶詰めし、さらに発酵を進めることで瓶内に炭酸ガスを閉じ込める「瓶内二次発酵」という特別な製法から生まれた1本は、爽やかな泡が絶妙! 新しいスタイルの日本酒は、乾杯の席を華やかに彩ってくれそうです。

最後に紹介するのは、麻生さんのオススメという「大吟醸原酒」。八鹿の伝統技術が光る1本は、低温発酵による豊かな香りと滑らかな口当たりを楽しむことができます。「本来の味を感じてほしいので、ぜひそのまま楽しんでくださいね」、と麻生さんが教えてくれました。

酒蔵ならではの種類豊富な試飲に感激!

さて、続いては売店内の試飲コーナーへ。カウンター上に置かれていた試飲用のサーバーをスルーして帰ることはできません(笑)。再びお店の方に説明をしてもらうと、驚くことに「右から1つずつ試し、結局全種類飲んで帰る方も珍しくありませんよ」とのこと! 全部ということは右から1、2、3、4…全部で12種類!? 「多いでしょう(笑)。ですがこんなに多くの試飲ができるのも酒蔵の特徴なので、ぜひ遠慮せずに楽しんでくださいね」とお店の方は笑顔。

12種類のラインナップは常時並ぶ定番に加え、季節の料理に合うお酒が時期によって登場するようです。実際に足を運んだお客さんも「こんなに試飲ができるんですか?!」とびっくりされるそうで、試飲後には「八鹿の酒をこんなにも一度に楽しめたのは初めて。良い思い出になりました!」と喜んで帰る方が多いそう。

最後に八鹿酒造のお酒の特徴について尋ねると、「八鹿のお酒はどれも料理との相性が良く、素材の味を引き立てる味わいが特徴です」と麻生さん。さらに「伝統を守りながらも、これからも時代に合った酒づくりを続けていきたい」と、今後の展望についても話してくださいました。

また八鹿酒造のすぐそばにJR九州「恵良駅」があり、駅内には「九重町先哲史料館」が併設されています。そこには3代目・麻生観八にまつわる資料や、昔の酒づくりにまつわる道具などが展示されているので、ぜひそちらにも足を伸ばしてみてください!

恵良駅内にある九重町先哲史料館

「宝泉寺温泉郷 復興元気!プロジェクト」とは?

八鹿酒造を後にしたら、酒蔵から車で約15分の場所にある「宝泉寺温泉」へ。こちらの温泉郷も令和2年7月豪雨により大きな被害を受けたのですが、地域を愛する多くの人々の力によって観光地として明るさを取り戻しています。

訪ねたのは「ほたるとかじかの宿 旅館九重」の代表取締役を務める矢野陽一さん。令和2年の冬に始動した「宝泉寺温泉郷 復興元気!プロジェクト」についてお話を聞きました。

「宝泉寺温泉は観光地なので、まずお客様を迎え入れる私たちが元気でなければと考え、プロジェクトを発足させました。名前に“元気”という言葉を入れたのはそのためで、お客様に元気になって帰って欲しいという思いも込めています」。そこで集まったのが矢野さんをはじめとする温泉街で働く人々。職業や年齢の垣根を超えたメンバーで幾度も話し合いを重ね、ときに地域の魅力を見つめ直すためにまちを歩き、さらにコンサルタント会社の意見も取り入れながら次第にアイディアを膨らませていったと言います。

自らが困難にぶつかりながらも、地域のことを第一に考え、どんなときも観光地としての発展を願う心。矢野さんは明るく語りますが、決して誰もができることではありません。そしてプロジェクト発足から時間を経た今、様々なアイディアは一体どんなカタチになっているのでしょうか?

温泉水と一緒に楽しむ、オリジナルブレンドのコーヒー

「宝泉寺スペシャルブレンド」2000円(200g)

最初に開発したのは、オリジナルコーヒーである「宝泉寺スペシャルブレンド」。地域の温泉水は無色透明で、口にふくむと感じられるまろやかな甘さが特徴だと矢野さんは言います。「地域の宿などでは、昔から温泉水を料理に使っていました。だから他にも温泉水を活かせる方法があるかもしれないと。地域に以前あったコーヒー屋もなくなってしまい、また美味しいコーヒーが宝泉寺で飲めたらいいなというのも理由です」。

バリスタの手を借りながら、まろやかで美味しい温泉水に合うようにブレンドされた特別なコーヒー豆は、宝泉寺温泉の宿や飲食店で販売中。温泉郷をイメージしたロゴがおしゃれな商品はお土産にぴったりで、1杯からテイクアウトできるお店もあるそうですよ♪

宝泉寺温泉のシンボル・石櫃の湯が復活!

そして復興プロジェクトにより、復活を遂げたのが地域のシンボルとして親しまれていた「石櫃(いしびつ)の湯」。以前は共同露天風呂として愛され、2016年からは足湯として多くの人々を癒してきましたが、残念ながら2018年頃から閉鎖していました。その長い歴史を持つ足湯が、この度のプロジェクトによって再開!観光客の誘致に繋げようと、地域の旅館関係者の手によって新たに整備されたのです。温泉街を流れる町田川沿いにあるためロケーションも抜群!のどかな自然を眺めつつ、足元からじんわりと温まっていくひと時は癒しの時間です。こちらも宝泉寺温泉を訪ねた際にはぜひ足を運んでくださいね。

そして最後に矢野さんからメッセージもいただいてきましたよ。

「宝泉寺温泉は豪雨をきっかけに、一段と観光に対する努力を重ねるようになりました。まずは私たちが元気であり続けることが復興に繋がると思いますし、観光地としても活性化していくと思います。そんなふうに明るく、元気のある温泉地にすることでお客様に満足を提供できるよう頑張りたいと思いますので、ぜひ宝泉寺温泉に足を運んでください!」。

おわりに

今回訪ねた「八鹿酒造」と「宝泉寺温泉」は、どちらも大分県九重町を語る上では欠かすことのできない場所。改めてその歴史や魅力を知ることで、ますますこの地域が好きになりました! 古くから続く伝統と、現代らしい新たな顔。地域が持つ2つの魅力をぜひ体験してみてください。

八鹿酒造

大分県玖珠郡九重町大字右田3364

電 0973-76-2888

営 9:00〜17:00

休 年末年始

http://www.yatsushika.com

宝泉寺温泉郷 復興元気!プロジェクト

問 0973-73-5505(九重町観光協会)

※コーヒーの取り扱い店舗などの詳細は問合せを。「石櫃の湯」の問合せ先も同じ

https://www.housenji.jp/genki/

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