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豆田町でフィルムカメラを使って街歩きしてみた!

フィルムカメラで巡る⾖田町ローカルフォトトリップ!

2023.10.23

天領、それは江戸幕府直轄地のこと。

天領日田はかつて九州の政治経済の中心として栄華を極めました。

豆田町では現在でも江戸時代から昭和初期にかけての古い建物が数多く残っており、国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されています。

歴史の香りただよう町を、フィルムカメラとともに散策してみました。

今日も多くの観光客で賑わう豆田町はどこを歩いても画になる風情。

江戸末期~昭和初期にかけて増改築を重ねてきた歴史資料館“日本丸館”

最初にやってきたのは日本丸館(にほんがんかん)

明治から昭和初期の製薬資料や生活雑貨などが展示・公開されています。一番の特徴は建物そのもの。木造4層3階建で、時代を越えて繰り返した増築により、外から見ると右側の母屋部分と左側の蔵部分の高さが違います。

国登録有形文化財に登録されており、日田市の都市景観建築指定第一号にも登録されている、まさに“豆田の天守閣”なのです。

受付奥の蔵1階には、昭和30年まで実際に使用されていた台所が。

かまどに石造りの流し台、 箱膳、石臼、ブリキ製の道具など。どこか懐かしいようで 実際には初めてみるものばかり。当時の生活に思いを馳せます。

蔵2階に上がると、度重なる増築により迷路のような間取りが広がっています。
自分がどこに立っているのかわからなくなるような錯覚に陥りながら、小さな階段を行ったり来たり。

なつかしい雰囲気に誘われて、フィルムカメラで撮影。

蔵2階には薬品室と日本丸室。
薬品室には 明治20年頃、実際に販売していた薬品の数々が展示されています。 昔のパッケージデザインがどこかかわいらしく、 商品が入っている木箱などしっかりとしたつくりの重厚感に機能美を感じます。

続いて、日本丸室。 “日本丸”とは一体何のことでしょう?

日本丸館の歴史は遡ること1855年(安政2年、江戸末期)。岩尾家14代 半蔵氏が「伏見屋岩尾古霊堂」並びに「百貨店」を開業。つまり、日本丸館は“なんでも屋(生活雑貨屋)”から始まったのでした。

その後、1887年(明治20年)、15代 昭太郎氏が一子相伝の家伝薬をもとに、心臓と熱さましの特効薬“日本丸”の製造に成功。明治・大正・昭和時代と、漢方処方の万能薬として大人気の看板商品となりました。
国内主要都市のみならず、京城(現在のソウル)や満州などに支店を持つまでになったことからも、その人気ぶりがわかります。

フィクションのようなノンフィクション。爆発的な売れ行きの名残が今の資料館にもしっかりと残されています。

そして、そんな“日本丸”を製造していた当時の道具類が展示されているのが日本丸室です。
原料となる牛黄(ごおう)・麝香(じゃこう)・羚羊角(れいようかく)・蟾酥(せんそ)・熊胆(くまのい)・真珠(しんじゅ)の動物漢方や人蔘などの薬草を計り、すりつぶし、小さく丸め、固めるための、ドイツ製の定量秤や、両切手、薬研、製丸機が当時の姿のままきれいに残っています。

続いて母屋2階に渡ると、大広間では岩尾昭太郎夫婦の金婚式(昭和13年)に使用された豪華な装飾品が展示されています。

そしてなんといっても特筆すべきは空中庭園です。

大広間からよく見えるそこには、かつては滝も流れていたとか。

※特別に撮影の許可をいただいています。大広間の中からの撮影はご遠慮ください。

さらに母屋3階は展望楼となっており、豆田の町並みや、遠くに連なる山並みを眺めることができます。

明治、大正、昭和と、時を越えて受け継がれた商家をぐるりと見学していると、あっという間に時間が経ってしまいました。


日田の鰻文化、日田まぶしを堪能

続いてランチに選んだのは、日本丸館より隣の日田まぶし千屋

地元の歴史ある呉服屋跡地をリノベーションし、平成13年に誕生。その後、築120余年の古民家を増築するなど、年間6万人以上の観光客が訪れる大人気の鰻専門店です。

愛知県で事業を営んでいた会長(当時社長)が、名古屋の有名な鰻料理「ひつまぶし」を地元の人々にも楽しんでもらいたいという想いから「日田まぶし(日田とひつまぶしを掛け合わせた呼称)」が誕生しました。

落ち着いた店内と、日田市で生まれた陶器・小鹿田焼でいただく日田まぶしはまさに絶品。

まず、こだわりの小ぶりな国産鰻は、骨が細く食べやすいのが特徴的。そして、日田発祥の「ゆずごしょう」と大根おろしを組み合わせることで独自の味わいに仕上げているのがこのお店の最大の特徴でもあります。
四つの味を楽しむことができ、さらに薬味を加えたり、だし汁を注いで茶漬けにしたりするなんど楽しみ方はさまざま。

まずはそのまま、次に薬味を加えて、最後に茶漬けとして楽しむことができます。
日田の鰻文化を味わいながら、贅沢なひとときを過ごしました。

最後にやってきたのは、伝統ある酒蔵、クンチョウ酒造


300年を超える蔵元で甘酒をつかったスイーツ

1703年(元禄時代)に建てられた約2,000坪の敷地内には、5つの蔵が建築当初のまま現存し、今もなお酒造りが営まれています。
薫長酒蔵資料館、蔵元ショップ薫長酒館、発酵舎KOGURA、アイスクリーム カフェ&ギャラリー旅の舎 sakabayashiなど、学び、買い、食べ、飲みと幅広い楽しみ方ができます。

今日のお目当てはアイスクリーム カフェ&ギャラリー旅の舎 sakabayashiの「甘酒ソフトクリーム」。
甘酒をふんだんに使用していて、さっぱりとした甘さがたまりません。
日田産すいかと甘酒のソフトスムージーは夏季限定ということで、こちらもいただきます。

「飲む点滴」とも言われる甘酒はビタミンBを多く含み、夏バテ予防にもぴったり。

レトロなしつらえのカウンターで休憩です。

レトロな町並みをフィムルカメラで撮影するとぐっと味のある思い出が残ります。

今回紹介したお店以外にも、たくさんのレトロなお店や歴史ある建造物が数多く観光できます。ぜひフィルムカメラをもって豆田町にお越しください。


日田市内の観光に便利な「レンタサイクル」!
自転車に乗って快適な観光をしてみませんか?
レンタサイクル情報は以下参照!

〈発着場所〉
日田市観光協会(大分県日田市元町11-3)

〈営業時間〉
9:00~17:00

〈料金〉
1時間300円(以後1時間につき200円)
1日1,000円,  2日1,500円,  3日2,000円
手荷物預かり(レンタサイクル利用者)1個200円

〈ご予約・お問合せ〉
日田市観光協会 TEL.0973-22-2036

公式HPはこちら


〈貸出場所〉
日田観光案内所、COGICOGI 日田駅前ポート

〈自転車種類〉
電動アシスト自転車複数台

〈営業時間〉
24時間

〈料金〉
3時間1,500円、6時間2,000円、12時間2,500円(以後1時間につき200円)

〈ご予約はアプリから〉
COGI COGI


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