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行ってみたやってみた

豊後森機関庫公園

ノスタルジックな旅・豊後森機関庫公園

2021.09.30

秋も深まり、なんだかノスタルジックな気分に浸りたくなる季節。そんな時は、歴史ロマンに想いを馳せる…そんな旅に出てみませんか?

玖珠町にある豊後森機関庫公園はそんな旅の目的地にぴったりの場所。
昭和9年に造られた旧豊後森機関庫(蒸気機関車の車両庫)を中心に整備された公園で、現存する九州唯一の扇形機関庫や、100年以上前につくられたSLを往時そのままの姿で見ることができます。
もちろん、歴史遺産を楽しむだけでなく、芝生が美しい公園として整備された広場はピクニックや散策にもオススメ。

さらに、この旧豊後森機関庫、実は人気アニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』の舞台になったことでも知られています。


今回は、鉄道ファンはもとより、ファミリー、ラブライブファンに人気のスポット・豊後森機関庫公園の楽しみ方をご紹介します!

貴重な歴史遺産・現存する九州唯一の機関庫

 
豊後森機関庫は、昭和9年に久大本線の全線開通に合わせて造られた大規模な扇形機関庫(蒸気機関車の車両庫)です。久留米〜大分間の重要な中継ポイントとして栄え、全盛期にはなんと25両もの蒸気機関車が所属、1日5千人以上の利用者がいたというから驚かされます。
昭和45年のディーゼル化に伴い、蒸気機関車が姿を消したことにより、その役割を終えましたが、当時の最高技術を結集した機関庫及び蒸気機関車を方向転換するための転車台(写真中央)は、平成21年に近代化産業遺産に、平成24年には国の登録有形文化財に登録されました。

ほぼ完全な形で残る機関庫、線路、転車台、そして、壁に生々しく残る戦時中の機銃掃射の跡…。貴重な鉄道遺産を見渡せば、往時の姿が甦ってくるよう。鉄道ファンならずとも心に響くものがあるはずです。

 

歴史に足跡を残すSL29612 号

 
機関庫の前に展示されている「SL 29612 号」は、通称「キューロク」という愛称で親しまれている蒸気機関車です。
大正8年から昭和49年まで長崎本線や唐津線を走り、長崎に原子爆弾が投下された際は、被災者を乗せて走ったという記録も残っている、まさに“歴史に足跡を残すSL”といっても過言ではありません。

平成25年に老朽化を理由に解体処分の危機にさらされましたが、「SLを救ってほしい」という多くの声が上がり、玖珠町が引き受けることとなりました。
現在は旧豊後森機関庫の正面に静かにたたずみ、その勇姿や功績を伝えています。

SLは撮影自由なので、“映える”撮影スポットとしても人気。SLが歩んできた歴史に思いを巡らしながら、思い出を写真に収めてください♪

 

ちびっこ大喜び!風を切って走るミニトレイン

豊後森機関庫公園には 、鉄道遺産だけでなく、子どもが遊べるスポットもたくさんあります。
その一つがミニトレイン。本物の駅のプラットホームを子どもサイズにかわいくした豊後森機関庫駅を出発して、西日本最大級の約320mに及ぶ、長〜いレールをぐるりと一周。秋風を感じながらの走行はとっても心地よくて、子ども達も大喜び♪

ここで一つ鉄道ファンの方に朗報。豊後森機関庫公園の隣には久大本線が通っており、タイミングが合えば、なんとミニトレインと本物の列車が並走できるんです!これ、かなり嬉しいですよね。
「伐株山を望む風景と鉄道の魅力を一緒に味わってほしい。」と語る運転手さんは旧豊後森機関庫の歴史にとっても詳しい方なので、走行中に、ぜひ色々聞いてみてください。

※新型コロナウィルスの影響により10月は運休です。
11月以降の運行スケジュールはホームページ、または豊後森ミュージアム(0973-77-2222)でご確認ください。

【運行期間】3〜11月の毎週日曜、第2・第4土曜
【時間】12:00〜16:00(雨天運行中止)
【料金】1人200円(3歳未満のお子様は保護者と2人で200円)
【所要時間】約5分

 

遊んで、学べる豊後森機関庫ミュージアム

 
豊後森機関庫公園内には、あの豪華寝台列車・ななつ星in九州を手がけた工業デザイナー・水戸岡鋭治(みとおかえいじ)さんがデザインした豊後森機関庫ミュージアムがあります。
「歴史とあそぶ・まなぶ・たのしむ」をコンセプトにした館内には、水戸岡鋭治さん手書きの鉄道車両内装の設計図をはじめとした鉄道に関する様々な資料や、精巧な鉄道模型が展示されており、鉄道好きにはたまらない空間。

他にも木のプールや、鉄道関連の絵本、鉄道のおもちゃ等、子どもが喜ぶ空間作りにこだわっているので、お子様連れの方にもオススメです。
そうそう、タイミングが合えば窓から列車が見えるので、子どもさんと一緒に“列車当てごっこ”も楽しいかもしれません♪

もちろん、広々とした空間でゆったり休憩したいという人も大歓迎。
入場料は100円(小学生以下無料)。一回払えば出入り自由なので、何度でも利用できます。

入り口付近で目を惹くのは旧豊後森機関庫の模型。当時の様子が精巧に再現され、機関庫本体には戦時中に受けた 機銃掃射の後もしっかり刻まれています。 機関庫周辺で発見された砲弾も展示してあるので、ぜひ併せてご覧ください。

奥に進むと広々した「展示室」兼「休憩室」があります。
ここではたくさんの鉄道に関する資料を見ることができるのですが、その中でも鉄道ファンに絶大な人気を得ているのが水戸岡鋭治氏直筆の列車の設計図。
細かな指示が書かれ設計図は滅多に見ることできない貴重な資料。1枚1枚熱心に目を通し、撮影する人が後を絶たないそうです。

子ども達は木製遊具「木のプール」を見つけて頭からダイブ(笑)。
木のプールの中には北海道産の広葉樹を使い、無塗装・無着色で制作された“きっころ”という木の玉がたくさん入っており、その中で泳いだり、木の玉を転がしたり…思い思いに遊ぶことができるんです♪
他にも、鉄道をモチーフにした絵本、鉄道のおもちゃがたくさんあるので、子ども達も大満足で遊んでいました!

 

列車やまちを作ろう!プラ板作り体験

豊後森機関庫ミュージアムで大人気なのがプラ板体験(300円)。
プラスチックの薄い板にマジックで好きな絵を描くと、スタッフさんがその板を加熱し、写真のような作品に仕上げてくれます。
「え、こんなに上手にできない」と思った方、ご安心を。たくさんのイラスト見本が用意されているので、誰でも簡単に作ることができます。
一つの板で小さな列車なら2〜3つ作ることができるので、親子、兄妹で一緒に楽しんでも良いかも♪

出来上がった作品はキーホルダーにしてくれます。もちろん、そのまま飾りたい人はキーホルダーをつけなくてもOK。
お父さん、お母さん、子どもさんの列車を連結させて“お出かけの記念”にするのも素敵ですよね。
そうそう、複数作って、1つ、2つミュージアムに置いていく人も多いそうです。
館内にはそんな人たちのプラ板作品がずらりと並んでおり、見応え満点。列車などの乗り物系だけでなく、「パラシュートを使って降りる 女の子」のようなハイレベルな作品もあるので、見るだけでもワクワクします!

 

ミュージアムオリジナルの水戸岡鋭治コレクションをチェック!

ミュージアムには、鉄道関連グッズを中心にお土産にぴったりのアイテムも豊富に揃っています。
その中でも一押しなのが、ここでしか購入できない水戸岡鋭治コレクション。
人気No.1「直筆のサイン入り・水戸岡鋭治 オリジナルイラスト2,000円」をはじめ、クリアファイル500円、手ぬぐい500円、ラバーコースター700円などズラリと並んだオリジナルアイテムは“さすが”のセンス。水戸岡鋭治ファンならずとも、欲しくなるものがばかりです。
イラストを全種類買う、熱狂的なファンも多いそうですよ。

実は現在、豊後森機関庫は進撃の巨人とコラボ中!
写真の大分限定バッジが購入できる他、超大型巨人ARとの記念写真が撮れます。

<巨人との撮影方法>
進撃の巨人inHITAアプリをダウンロードし【AR】→【超大型巨人AR〜KUSU〜】をタップすると…豊後森機関庫にAR巨人が登場。機関庫をバックにした超大型巨人と写真は迫力満点です!

進撃の巨人inHITA アプリダウンロードはこちら
URL:https://shingeki-hita.com/guidance.html

 

お昼はすぐそばの「森のクレヨン」でテイクアウト!

ちょうどお腹がすいてきたころ。機関庫公園すぐそばの、知的障がい者の方が活躍するカフェ「森のクレヨン」でランチをテイクアウト♪

たくさんあるメニューの中から、今回は自家製トマトソースに厚切りベーコン等の具材がたっぷり入ったボリューム満点の「トマトパスタ700円」と、お店自慢の手作り食パンに大きなエビカツを挟んだ「エビカツホットサンド800円(オニオンリング、ポテト付)」をチョイス。
注文を受けてから作ってくれるので、待たずにすむ事前予約がオススメです。

現在はコロナ禍でテイクアウトのみですが、本来は大きな窓から列車を眺めることができる絶好のロケーションが魅力。店内飲食の再開が待ち遠しい!!

テイクアウトしたランチは機関庫公園の芝生の上で食べることに。
外で食べる食事って、いつもの何倍も美味しいですよね。子ども達も「何にしよう かな~」「これ好き!」と大はしゃぎ。
芝生の広場は開放されているので、ランチの後も、芝生の広場を走り回ったり、虫を捕まえたり、大きなSLに興奮したり…元気いっぱいに遊んでいました。

また、森のくれよんと玖珠町・大分県が共同で開発したオリジナルクッキー(12枚入 1,000円)は食後のデザートにも、お土産にもぴったり♪
地元産の米粉を使った「童話の里玖珠町ものがたり」と、ココアクッキーの「豊後 森機関庫ものがたり」の2種類があり、どちらも甘さ控えめのやさしい味わいが楽しめます。
玖珠出身の童話作家・久留島武彦のイラストや、豊後森機関庫の今と昔の写真をあしらった玖珠らしいパッケージも魅力で、今後、玖珠の定番土産になりそうな予感です!

 

近くの立ち寄りスポット
コーヒーが人気のカフェ「ヤトカコーヒー」でひとやすみ

機関庫公園を満喫した後は、公園のすぐ側にある「ヤトカコーヒー」でひとやすみ。店内に一歩足を踏み入れた途端、焙煎されたコーヒーの香りに包まれ、ホッと癒されます。
コーヒー好き、カフェ好きのご夫婦が5年前にオープンしたこのお店のオススメはもちろんコーヒー。
今回は種類豊富なコーヒーメニューの中から、店名がついた「ヤトカブレンド(790円)」をチョイス。苦味と酸味のバランスがちょうど良く…心にじんわり染み込んでいくような優しい味わいさです。

コーヒーそのものの風味を楽しんだ後はミルクを入れて、ちょっとまろやかな味わいを堪能。
コーヒーのお供は、自家製生チョコ「石炭(290円)」。豊後森機関庫のすぐ側ということで、SLの燃料・石炭をイメージしているそうです。
なめらかな食感、甘さ控えめの生チョコはコーヒーとの相性抜群。お手頃な価格も嬉しいですよね。
テイクアウトできるメニューが多いので、機関庫公園で楽しむのもいいかもしれません。お土産にはコーヒー豆も人気です。

 

おわりに

豊後森機関庫公園は、鉄道ファンの方だけでなく、大人から子どもまで幅広い年代の方が“遊んで、学んで、楽しめる”スポットです。
この秋はいつもとは少し趣向を変えて、歴史ロマンに触れる、ノスタルジックな旅へお出かけください。

豊後森機関庫ミュージアム
住所:大分県玖珠郡玖珠町岩室36-15
営業時間:10:00〜16:00
定休日:年末年始(12月29日~1月3日)
電話:0973-77-2222

玖珠・森のクレヨン
住所:大分県玖珠郡玖珠町大字帆足449-1
営業時間: 10:00〜17:00
定休日:月・火曜(祝日の場合は営業)
※パンの販売は水〜金曜のみ
電話:0973-72-2424

ヤトカコーヒー
住所:大分県玖珠郡玖珠町岩室35-14
営業時間: 10:00〜18:00、土日祝10:00〜17:00
定休日:不定休
電話:0973-77-2035

 

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