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行ってみたやってみた

サイクリスト的九重の楽しみ方

バイカーの聖地を自転車で走る

2022.10.28

大分県と熊本県をつなぐドライブコース、「やまなみハイウェイ」はバイカーにとって聖地のような特別な場所。春は山桜に、夏は深い緑、秋は紅葉に包まれた峠道を走り、飯田高原に抜けると、一気に広大な自然のステージに飛び出す。「ここは日本?」と思ってしまう程の景色、光、風、草花の中で、バイクにまたがり自然の中を走り回るのがたまらなく嬉しい。

バイクの免許は持たないが、同じような感覚を味わいたい。

導き出した答えは…、自転車でしょ、やっぱり。

“最も原始的な乗り物”と、昔誰かが言っていたが、原始的ってことはバイクよりももっと自分の力と感覚で楽しめるってことじゃないか。持っているママチャリではあまりにも絵にならないから、現地でレンタサイクルを利用して自然を楽しむ旅に、行ってみたやってみた。

歓迎してくれているような最高の天気。

自転車には詳しくないので、飛び込みで訪ねるレンタサイクル屋さんで、何か色々教えてもらうことからスタート。

やってきたのは「やまなみレンタサイクル」。代表の辛嶋さんは、稼ぎ時の週末の訪問にも快く応じてくれた。ありがとうございます。本業の傍ら、湯布院や黒川などの有名観光地に素通りされがちな大好きな九重に、もっと滞在してもらいたくてレンタサイクル屋さんを経営しているのだそう。

「おすすめのコースってありますか?」と伺うと、

パンフレットを指さしながら、おすすめの3つのコースを教えてくれた。

1.男池湧水群コース/片道8㎞ 
2.九重“夢”大吊橋コース/片道4㎞ 
3.タデ原湿原/片道4㎞

意外と距離があるなーという感想。

しかし、今日の取材で大切なことを見落としていた事に気付く。

車では意識しなかったけど、山の上だから高低差がすごすぎるという事に…。

心が折れそう…(笑)

店内を見渡すと、「あれ? 自転車だけじゃない…」。マウンテンバイクやロードバイクのほかに楽に周遊できそうな電動(EV)の乗り物も多数ある。敷地内で試乗させてもらった。

やばい

これは

楽しいーーー。

自分の力と感覚で九重の自然を満喫しようという、自分の中で作り上げた高尚な志は、いとも簡単に崩れそうになる。「いや、ダメだ」と、心の中の天使がちょっとだけ勝って、自転車にまたがり、「2.九重“夢”大吊橋コース/片道4㎞」へ旅に出る。

セッティングも手伝ってもらい出発。


行きは下り。車もそんなに多くなく、森の中を駆け抜ける疾走感が楽しい。車ほど速くは走れないので、何度か通ったことのあるこの道も全く違う道のように感じられ、風も匂いも草花のちょとした動きも、その全てが楽しい。大げさかもしれないが、生きていることを実感できる。やっぱり九重は最高だ!

たくさんの起伏とスラロームを通り抜け、小学生に戻ったように無邪気な気持ちでペダルを漕ぎ、あっという間に九重“夢”大吊橋に到着。

九重“夢”大吊橋はたくさんの家族連れでにぎわっていたので何枚か写真を撮ってみた。

「さ、帰るか…。ひたすら上り坂を…」。

正直、憂鬱でしかない(笑)

最近の自転車の凄さか、景色の良さで気持ちが救われたのか、それほど上り坂はきつくはなかった。

道中には、車では気が付かなかったお店がチラホラ。寄り道をしながら引き返したので、きつさよりも楽しさが勝った。

帰り着くと女性が…。たまたま熊本からやって来た「やまなみレンタサイクル」さんのお知り合いの女性2人がモデルになってくれた。

お二人は、九重の自然に魅せられて、ちょこちょこ遊びに来るんだそう。

せっかくだから今度はEVで。「3.タデ原湿原/片道4㎞」へ。

絵になる。

こんな写真を撮りたかった(笑)

帰りにソフトクリームを買って、楽しみ過ぎて時間が無くなったので本日終了。

そのままキャンプ場へ。

目的地の九重グリーンパーク泉水キャンプ村は、阿蘇くじゅう国立公園の一角にある、広大な町営のキャンプ村。キャンプ用品の貸出が充実しているので手ぶらでのキャンプはもちろん、オートキャンプもできる。大型・中型ロッジ、ミニバンガローや売店も完備していて、しかも料金が安いのが嬉しい、家族連れやキャンプ初心者にも安心な施設なのだ。

そして何より、澄み切った空気の中で、満天の星空を眺められる露天風呂まで付いている。

さすが温泉の町。

キャンプ場によってルールが異なるが、ここではハンモック、バーベキュー、手持ち花火はOK。ゴルフ場かと思ってしまうくらい広大な敷地の、好きなところに自分で宿を作れるので、キャンプの醍醐味を味わえる。

ハンモックをかりて、しばしくつろぐ。

県外ナンバーのマイカーで旅行する人や、バイクでツーリングしながらここを宿にする人、家族連れ、老夫婦など、訪れている人の客層は広く、思いおもいの楽しみ方をしている姿を眺めながら少しまどろむ。気がつくともう夕方、後ろ髪をひかれながら帰宅の途につくが、また来よう。

九重の絶景の中で過ごす時間は最高の贅沢。

ヘトヘトになるまで自転車を漕いで、屈託なく笑って、キャンプ場でハンモックにゆられる。

究極のエコ遊びで、リフレッシュしてみては?

【やまなみレンタサイクルHP】
 https://www.yamanamirental.com/

【泉水キャンプ村HP】
 https://www.town.kokonoe.oita.jp/docs/2017011900029/


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