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行ってみたやってみた

ダムで楽しむ紅葉カヤック

奥日田の秘境!カヤックで巡る大自然体験

2023.12.17

誰もが一度は憧れる!大自然のカヤック体験

「山々に囲まれた大河川の中でのカヤック」いつかはやってみたい遊びですよね。

しかし実際に、フィールドや装備をそろえ、安全性を確保して……と考えていると、なんだか気が遠くなってくるのが現実。

憧れは募るばかりです。

そんな中、日田の温泉街から30分ほどの場所にある下筌(しもうけ)ダムで、日田出身のアスリート河津 聖駒(かわづ せいま)さんがガイドを担当するカヌー体験プログラムがあると聞いては、行ってみるしかありません。

集合場所は蜂の巣公園。

「水の恵み豊かな日田ならではの遊び場。ここでしか味わえない楽しさ、非日常体験をいろんな人に知ってもらいたいという思いからガイドをしています」と、河津さん。

レッスンは、カヌー、バックラフト、SUP(スタンドアップパドルボード)の3種類から、自分の興味やスキルに合わせて選択。

参加者のスキルやその日のフィールドコンディションに合わせて、河津さんがその場でレッスン内容を組み立ててくれるので、初心者でも安心です。

今回は夫婦で参加。二人ともカヤックは初体験だったので、パドルの握り方から丁寧に教えてもらいました。

初心者はパドルと水面が平行になるように握るのが漕ぎやすいそう。

目的地は、ダムの中にある小島。

紅葉を眺めながら、4キロほど先の小島を目指して漕ぎ始めると、少しのパドリングで予想以上に早く進みます!
夫婦のコンビネーションが問われました(笑)。

用意されたライフジャケットに身を包みながらも、どうしても転覆しないか一抹の不安がぬぐえません。

しかし使用しているカヤックはレジャー用で、転覆することはほとんどないということで一安心。

一緒に参加した子どもたちは日頃からスクールに通っているらしく、カヤックを乗りこなしています。子どもたちに元気をもらいながら、一漕ぎ一漕ぎ前に進みます。

スピードを出すコツは、水の抵抗をしっかり感じながらパドリングすること。

レッスンで教えられた通りにやってみると確かに推進力が違います。

運動不足の二の腕にほどよい刺激を与えつつ、30分ほど漕ぎ進むと、目的地の小島が見えてきました。

当日は10℃を下回る予報だったためダウンを着込んでいましたが、湖面の風はとても穏やかで、柔らかい朝の日差しもあり体はポカポカに。

先陣を切る体力自慢の小学生や、のんびりと景色を楽しむ親子。

私たち夫婦も手を止めて、水面に映る景色を見たり、遠くから聞こえる鳥の声に耳を澄ましてみたり。

奥日田の大自然の中で思い思いの時間を楽しむことができました。


山林に囲まれたエリアが広大な遊び場に

今回の遊び場、下筌ダムの建設を巡っては、日本最大級のダム反対運動「蜂の巣城紛争」が繰り広げられたとか。

この紛争は、以降の公共事業の在り方に大きな影響を与え、人権の尊重や法整備などをもたらした……という歴史についても河津さんが話してくれました。

さて、小一時間ほど漕ぎ進み、約2km進んだ場所でおやつタイム。

東京ドーム40個分以上の面積をもつ湖面は、まさに余白だらけのフィールド。カヤックをつかうことで遊び場と化すわけです。

「季節に合わせた楽しみ方ができるのも、下筌ダムカヤックのいいところ。今日は紅葉狩りをテーマにしたのですが、少し前の季節であれば、船の上からむかごの収穫ができたんですよ。夏は今より20mも水位が下がり、まったく違った地形で遊ぶことができます。あの辺りは鵜の巣が見えるし、水岸の景色も楽しんでみて」と河津さん。

そんな話を湖上でおやつとコーヒーを楽しみながら、しばしの休憩。

「ちょっと冒険に行きましょう」

河津さんに率いられダムに流れ込む川の支流を辿っていきます。徐々に空気がひんやりとしたものに変わり、水の透明度も高くなっていったところで

「あ!目の前にカワセミ!」

色鮮やかで愛らしい水鳥の出現に、アドベンチャー感も最高潮。ワクワクが止まりません。


水と暮らす – 日田だからこそできる体験を

九州最大河川の筑後川の上流にあたる三隈川が流れる、水郷日田。

川沿いには温泉旅館が立ち並び、鵜飼いや屋形船が風情を漂わせ、さらにあの伝統民藝「小鹿田焼」もそばを流れる川の力を借りて、機械を使うことなくすべての工程を手作業のみで行っています。

日田の人々は昔から水とともに生きてきました。

日田生まれの河津さん。

奥日田の川アクティビティのガイドであり、国体等の大会に出場する現役競技者でもあります。

カヤックとの出会いは20歳のとき。

河津さん「もともと幼児体育の指導員をやっていました。日田生まれの自分にとって、水辺はいつも遊んでいた場所。川やダムなど遊び場は豊富にありますし、これを資源として活用できないかと考え日田カヌー協会に相談したことがきっかけです」

カヤックはもちろん、サイクリングやヒルクライムなどのアウトドアアクティビティも盛んな日田。温泉やキャンプ場などの施設も多いため、家族や恋人とも特別な時間を過ごすことができるはず。

ぜひ、日田に訪れてみてください。

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